緩和治療を取り入れることで最期の迎え方は大きく変わります。がんと診断されたときから最期のときまで、がんに対する治療をやる、やらないに関わらず、症状緩和が必要なときに適宜行うべきと考えています。
ものを言えない動物も痛みを感じます。その痛みを緩和させ、そして痩せさせず、なるべく良い状態(生活の質)を保ってご自宅で最期を迎えられるよう行うのが緩和治療です。緩和治療はリスクもなく、動物とご家族の負担を減らすことが可能です。どういった方法でその動物が楽になれるのかを診察でしっかりと見極め、ご家族と一緒に必要な緩和ケアを考えていきます。
Q.緩和治療を行なった場合の余命を教えてください |
A.悪性腫瘍の場合、緩和治療のみであれば余命は数ヶ月であることが多いです。 |
Q.家で家族が行う必要のある治療があれば教えてください |
A.緩和治療は痛みと食事と対症療法ですので、ご自宅では処方されたお薬をきちんと飲ませてあげてください。 |
Q.自宅で緩和治療を行う場合、家族はつきっきりとなる必要があるのか教えてください |
A.つきっきりになる必要はありません。動物への治療も大切ですが、ご家族が疲れてしまわないことも大切なことだと考えています。 |
Q.緩和治療の目安費用を教えてください |
A.動物の体重にもよりますが、痛みの緩和だけでいうと月数千円から1万円程度で可能ですが、必要な治療は基礎疾患や病状によりますので、ご相談となります。 |
獣医腫瘍科認定医
中野 優子 獣医師、医学博士
2001年 大阪府立大学 農学部獣医学科 卒業
2001年〜2006年 大阪市内の動物病院
2006年〜2020年 腫瘍専門の二次診療施設、日本小動物がんセンター(所沢)にて、犬、猫のがんの診断、ステージング、がん治療の原則と実際の病態を把握した治療プラン組み立て、薬物療法から緩和ケアまで幅広くがん治療に携わる
2019年 東京慈恵会医科大学大学院にて博士号(医学)を取得
2020年5月より林屋動物診療室どうぶつ腫瘍センター センター長就任